「なんか、成長してる」——ソロテントキャンプで見た、子どもたちの3日間
キャンプ前から、もう始まっていた
「このキャンプは、全部自分でつくるキャンプです」
朝、集合した子どもたちに、こう伝えました。そのときの反応は、様々でした。目を輝かせる子、少し不安そうな顔をする子。それも当然です。今回のキャンプは、いつもと違うルールがひとつありました。
食材は自分で持ち込み、料理はすべて自分一人で作る。
テントも、一人一張り。
面白いのは、このキャンプが「当日」から始まったわけではないということです。子どもたちは、キャンプの何日も前から、自分でレシピを調べたり、家で料理の練習をしたりしてきています。
「どんな献立にしよう」「火加減はどうすればいいんだろう」
キャンプ場に着く前から、すでに頭の中で「自分のキャンプ」がはじまっていたのです。

自由だからこそ、自分で考えるしかない
2泊3日のこのプログラムには、実はもうひとつ大きな特徴がありました。
起きる時間も、寝る時間も自由。遊ぶのも、調理するのも、時間の決まりはありません。
一見、これほど「楽」なことはないように思えます。けれど実際には、その逆でした。
決められたスケジュールがないということは、その分「自分で考えないといけないこと」ばかりになる、ということです。いつ火を起こすか、いつ食事を作るか、いつ休むか——すべての判断を、子どもたち自身が下さなければなりません。
大人が指示をしてくれる「安心感」は、ここにはありません。

2日目、ある子のつぶやき
キャンプ2日目。子どもたちは、自分で薪を集め、自分で火を起こし、自分で調理をします。
うまく火がつかない。思ったような味にならない。段取りを間違えて、時間がかかりすぎてしまう——そんな「うまくいかないこと」は、決して少なくありませんでした。
それでも、誰も代わりにやってはくれません。自分の力で、なんとかするしかないのです。
そうして、火を起こし、調理をやり終えたあと。ある子どもの口から、思わずこんな言葉がこぼれました。
「なんか、自分、成長してる!」
誰かに言われたわけでも、褒められたわけでもありません。自分自身の実感として、自然と出てきた言葉でした。


「協力しなくてもいい」のに、生まれた協力
このキャンプで、特に面白いと感じたのは、ここからです。
ルール上、子どもたちは協力する必要がありません。
食材も道具も、それぞれが自分の分を持ち込んでいます。一人で完結できるように設計されたキャンプです。
けれど、実際に始まってみると——
「一緒にやった方が、早く終わる!」
そんな気づきから、あちこちで自然な協力が生まれていきました。誰かが「手伝おうか?」と声をかけ、誰かが「じゃあこっちやるね」と応える。強制されたのではなく、必要に迫られたのでもなく、ただ「その方が楽しいし、効率がいいから」。
一人でやり切る自由の中に、人と関わる楽しさが自然と芽生えていたのです。


一人でやり切る力と、人と関わる楽しさと
2泊3日、すべて自分の力で乗り越えたソロテントキャンプ。
そこにあったのは、「自由」の裏側にある責任と、うまくいかないことと向き合う粘り強さ、そして、誰に言われるでもなく生まれた子どもたち同士の協力でした。
一人でやり切る力と、人と関わる楽しさ。その両方が詰まった3日間でしたね!

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