こんにちは、曽雌です。
ワンダークラス11月の活動ブログです。
今回のテーマは
「子どもたちが作る3日間の屋台経営」です
11月は、ワンダークラスの大きな目玉プログラムの一つでもある屋台経営キャンプに挑戦しました。
10月のメニュー決め、試作品づくりを踏まえて、2泊3日の3日間で屋台経営に挑戦していきました。
屋台経営キャンプでは、屋台販売に必要な食材や材料の仕入れ、買い出し、値決め、販売まで、全てを子どもたち自身で決めていきます。
よくある子どものお金みたいな偽物ではなく、最初から最後まで実際のお金を使ってやり繰りしていく本格屋台実践です。
お金を借りる際も、借用書を書き、自分たちの屋台経営には、いくらぐらい資金が必要なのかを考えていきます。
そして2泊3日の最終日には、おうちの方をはじめ、ステップクラスの子どもたちを呼び、実際に販売を行っていきます。
その上で、利益がでたら、2月に実施する旅企画の資金に自分たちで稼いだお金を回す。
ただ稼ぐだけじゃなく、自分たちが旅に出るための資金を、自分たちの屋台販売で稼ぐわけです。
そんな3日間の様子をお届けします。
1日目は屋台の準備を行っていきました。
主な準備は全部で5つ。
- 商品の価格を決めること
- 商品の原価、価格から、損益分岐点を見つけ、販売個数を決めること
- 商品のPR方法を考えること
- 商品の出し方を考えること
- 本番の役割を考えること
以上の5点を踏まえた上で、各チームの屋台経営戦略をプレゼンテーションをしてもらいました。
無事にプレゼンテーションを終えたチームは、屋台で購入する際に使える支援金がもらえる仕組みです。
どのチームもかなり真剣に考えています。
「う~ん、、、何個つくろう?」
「お客さんが何人くるか分からないからな~」
「あ、みんなにおうちの人が来るか聞いてみよう!そうすればだいたいの人数は分かるかも!」
こんな風にリサーチの方法を自分たちで考えていくところにも、大きな学びが隠れていますね~
「計算しすぎて頭が~!!!」とこぼす子も。
こんなに計算をすることって普段無いかもしれませんね(笑)
遅くまで頑張りました!
2日目は、屋台販売のリハーサルを行いました。
ステップクラスのスタッフ(ゆうちゃん)と昨年度のワンダークラスのスタッフ(ゆっきー)に、屋台のお客さんとして来てもらい、翌日の本番に向けたリハーサルです。
リハーサルとはいえ、実際にお金を使って商品を販売してみることで、料理を作るまでの動き方を確認し、自分たちの計画が実現可能かどうかを判断していきます。
ちなみに、買い出しは毎日、朝と夕方に1回ずつ。実際に子どもたちがスーパーに行って買いに行きます。
屋台に使う食材から、出すための容器や調理器具を除く小さな道具まで、全て子どもたち自身でそろえていきます。
もちろんこれも借りたお金の中からやり繰りをしていきます。そして、余分にお金が必要であれば追加でお金を借りることも可能です。
お金を借りたとき、買ったとき、売れたとき、全て出納帳に記入をしていきます。最後の決算で、お金の計算が合うかも大事ですからね~
さあ、そんなこんなで、いよいよリハーサル開始です。
屋台販売の開始時刻である11:30に料理が間に合わない!というチームもいくつかあり、計画と実際にやってみることの違いを具体的にイメージできたのではないでしょうか?
また販売後には、お客さんの2名にインタビューをすることで、屋台についてのフィードバックをもらっていきました。
忖度無しのフィードバックは、聞いていて非常に面白かったですね!
「ちょっと高いと感じたかな~」
「値段の割に量が少ないと思ったよ」
おお!メモまで取っている!
真剣ですね~!
その後はひたすら計画の練り直しです。
実は、今回の屋台経営キャンプでこだわったポイントがまさにココ。
ぶっつけ本番で終わらせてしまうのではなく、前日にリハーサルをすることで、改善できる機会を作っていきました。
何が良かったのか、何が悪かったのか、どうやって改善しようか、とチームで話し合っていきます。
実際の体験を伴ったふりかえりをすることで、翌日に生かすことができるわけですね。
実社会と同じように、PDCAサイクルを回していきます。
さあ、いよいよ明日は本番です!
PR動画を撮影したチームも!
どんな展開が待っているのか。非常に楽しみですね~
さあ、いよいよやってきました。
屋台販売の本番です。
11:30~12:30で屋台販売会がスタートします。
朝からソワソワした子どもたち。
部屋の掃除と片づけをいち早く終えた子どもたち。
朝の買い出しに出かける子、屋台の準備を始める子に分かれ、それぞれ準備に取り掛かっていきます。
直前の様子です。
いや~
この本番前のソワソワ感が最高ですね~笑
お客さんが続々と集まってきました。
さあ、いよいよ屋台販売スタートです!
どのチームも気合いが入っています。
看板もかなり凝っていますね~
見事なクオリティ!
正直ここまでのクオリティで作ってくるとは思ってもみませんでした。
1つ1つ手作りの装飾がしてあり、見た目にもこだわりが見えますね。
前日のリハーサルからかなり改善してきましたね!
最後は、値下げを始めたチームもありました(笑)
そして、終了~!!!
やり切った表情を見せる子どもたち。
最後はお客さんも含めてパシャリ📷
でも、ここからが大変です。
片づけをして、決算に向けてひたすら計算を行っていきます。
これまで使ったお金、売り上げ、出納帳をもとに、全て計算をして、最終利益を出していきます。
中々計算が合わず大変です。
どこで計算を間違えたのか。
レシートをもとに1つ1つ確認していくわけですね。
いよいよ、決算発表です。
果たして利益は出たのでしょうか?
まずは、屋台を出すために借りたお金を返していきます。
こちらは全チームしっかりと返すことができました!
ちなみに、借用書はこんな感じ。結構雰囲気ありますよね?(笑)
お見事!
さて、気になる結果は?
●赤チーム
・売上:23,400円
・経費:18,547円
・利益: 4,853円
・残高: 4,812円
※惜しい!差額41円!
●青チーム(SKY)
・売上:17,750円
・経費:14,570円
・利益: 3,180円
・残高: 4,344円
※差額が大きいですね~
売上を記載し忘れたかな?
●緑チーム
・売上:16,640円
・経費:11,064円
・利益: 5,576円
・残高: 5,872円
※差額304円。どこで間違えたんでしょうね~
最終的に最も利益をあげたのは「緑チーム」でした!
売上が最も低いにも関わらず、経費を最小に抑えたことで、利益が一番高い結果に!
こんなところからも、リアルな面白さを感じますね!
昨年度から始めたワンダークラスの屋台経営キャンプ。
今年度で2回目の実施となりました。
昨年度は1泊2日で自分たちだけでやっていた屋台を、今年度からは実際に販売できるようにグレードアップをしていきました。
もっと子どもたちが本気になれるリアルな体験を作りたい。そう考えてバージョンアップさせていった結果、価格設定、買い出し、原価計算、損益分岐点の計算など、全てを子どもたちが実施していくかなり本格的な経営要素の入ったキャンプとなってしまいました(笑)
その上で、やってみた感じたことは、子どもたちの力でここまでのクオリティを出せるのか!という驚きです。
商品の出し方、器の並べ方、1つ1つ手書きで装飾をしていく丁寧さ
どれをとっても子どもたちの本気を感じます。
正直、子どもたちが自分たちで考えられるように企画をしていくことは運営として決して楽ではないです。
プログラムの決まったキャンプ、材料を先に用意しておくキャンプなど、こちらで先に用意しておけば、運営としてはどれだけ楽になるか。
でも、それだと決まったことしか起こらないんですね。
やっぱり“何が起こるか分からない”から面白い。
失敗するか、成功するか、分からないから自分たちで考えるんだと思います。
それこそがEDUCAMPとして目指す教育の形です。
今回子どもたちが稼いだお金は、2月に実施する旅の資金となります。
そんなところからも自分たちで考える機会につなげていければと思います。
みんな、ナイスチャレンジでしたね!